2009.08.05 Wednesday
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SLAPP訴訟被害者連絡会近所にできるマンションの建設反対運動に参加する。環境・自然破壊の恐れがある開発行為に反対する運動を起こす。見聞した事件・事故、不正や腐敗について報道機関の取材にこたえる。ブログやウエブサイトで批判する。
みなさんの周囲でも、こうした「公的な発言」をする機会は多いのではないでしょうか。 いま、そんな「公的な問題についての市民の公的発言」を妨害するための民事訴訟が各地で起こされています。こうしたいやがらせ目的の訴訟を仕掛けてくる側は、被害者に比べて資金・組織・マンパワーなどで優位に立つ組織や団体(企業、労働組合、公共団体、自治体)であることが特徴です そんないやがらせ目的の裁判のせいで精神的・肉体的・経済的に疲弊させられ、追い詰められる被害者が各地で続出しています。また、こうした「見せしめ」で虐待される被害者の姿を見て、他の人々も批判や反対を控えるようになるのも危険な兆候です。 こうした「いじめ目的」の民事訴訟を欧米では「SLAPP(スラップ)」といいます。米国では50州のうち25州にSLAPP被害を防止する法律があります。 ところが日本にはSLAPP訴訟を防ぐ法的措置がありません。法律の抜け穴を利用して、日本国憲法第21条が保障する「言論・表現の自由」(=市民が公的に発言する権利)を踏みにじる民事訴訟の悪用が堂々とまかり通っています。 私たちはこうしたSLAPP訴訟の被害者をネットワークする全国組織です。 *SLAPP訴訟の危険性を社会に知らせていきます。 *新たな犠牲者を出さないための対策を政府・立法機関に求めていきます。 *被害者が孤立しないよう助け合います。 *新しいSLAPP訴訟の動き、対策の動向を世論に知らせます。 *学識者、法律実務家はもちろん、問題意識を持つ市民を広くネットワークしていきます。 SLAPP訴訟被害被害者の参加をお待ちしています。そのほかSLAPP問題に関心のある一般市民、学生、学識者、法律実務家のみなさんの入会を広く歓迎しています。 私たちはいかなる政党・政治・宗教・思想団体とも無関係であることをここに明言します。一方、私たちの趣旨に賛同してくださる方々との連携にドアを開けています。 なお、私たちは企業などに敵対することが目的ではありません。SLAPP訴訟当事者の反論を歓迎します。サーバー、ブログをそちらでご用意のうえ反論を掲載してくだされば、リンクを張ります(容量の限界のため当サイトには反論を掲載できませんのでご了解うださい)。 みなさんの参加をお待ちしています。どうぞご連絡ください。(連絡先は右下から) 2009.08.03 Monday
オリコン裁判、オリコンの「自己敗訴宣言」で終結
2006年の提訴以来、33ヶ月間にわたって係争が続いた「オリコン裁判」は、訴えを起こしたオリコン社(小池恒社長、東京都港区六本木6-8-10)が一方的に「請求放棄」を東京高裁で宣言し、終結しました。
「請求放棄」は「訴えの取り下げ」とは異なり、烏賀陽側の同意がいりません。 判決を待たずに自ら「私の提訴には理由(物事の成り立っているすじみち。広辞苑より)がありませんでした」と宣言する「自己敗訴宣言」です。 最高裁の「司法統計」(平成19年版)によると、請求放棄で終結する訴訟は、全体の0.1%しかありません(17万2975件中180件)。 このオリコンが敗訴宣言したことで、オリコンの訴えが消滅してしまったため、烏賀陽が起こしていた反訴も続ける理由がなくなりました。よって烏賀陽の反訴も請求を放棄しました。 この紛争解決には、「サイゾー」が被告以外の「利害関係人」として参加しました。サイゾーは烏賀陽の発言をねじまげ、掲載拒否にもかかわらず掲載したことを謝罪、補償することを表明しました。 この三者の約束を公的に裁判所で調印すると「和解」という名前がつきます。「結婚する」を役所では「婚姻届を出す」というようなものです。 よって、裁判所への届けとしては「和解が成立した」という表現になりました。報道でもそのように表記されているケースが多い。 オリコンー烏賀陽間の訴訟は、オリコン側の「自己敗訴宣言」で終わりましたので、烏賀陽は「オリコン裁判は烏賀陽の逆転勝訴」と事実をご報告しています。 (烏賀陽弘道) 2009.08.02 Sunday
SLAPPについて勉強するための参考文献
ウィキペディア英語版「SLAPP」
日本語訳はこちら。 *参考文献(日本語の文献はまだない。アマゾンで検索してみてください) “SLAPP: Getting sued for speaking out” by George Pring and Penelope Canan →アメリカ・カナダの事例中心。 “Legal Intimidation” by Fiona J. L. Donson →ヨーロッパの事例中心。 2009.08.02 Sunday
SLAPP訴訟の定義にはどんな条件があるのか?
SLAPP(Strategic Lawsuit Against Public Participation)の定義とは?
1)民事訴訟であること。 =刑事告訴はより深刻だが、相手に訴訟コストを負わせやすいのは、紙一枚を書いて裁判所に行けば起こせる民事訴訟。誰にでも使える合法的恫喝だからこそ危険。 2)裁判当事者の少なくとも一方が公的問題をめぐる公的論争の当事者であること。 3)両者のうち、比較強者が比較弱者に対して起こす。 4)訴訟に勝つことは必ずしも目的ではない。 5)弁護士費用、時間の消費、肉体的・精神的疲労など裁判コストを被告(裁判を起こされる側)に負わせることによって、被害者は疲弊し、反対・批判を続ける意欲や能力を失う。また団結が乱れ分断、分裂する。 6)結果として、原告は自分に不都合な公的発言(批判・反対など)を妨害できる。 7)裁判を起こす側は、起こされる側に比べて資金、組織、マンパワー、時間などで優位な地位にある。 8)「公的発言」とは、マスメディアの取材に答えること、ブログや記事を公開すること、新聞の投書欄に投書すること、意見広告を出すこと、労働組合を結成すること、チラシを配布すること、合法的なデモをすることなどが含まれる。 9)訴えの内容や方法などに、合理的な訴訟ならありえないような道理にかなわない点がある。 10)(9)の結果、裁判を起こされる側(被告=SLAPP被害者)に心理的または物理的な恫喝効果が起きる。 また、他の反対者・批判者も、提訴された人たちが苦しむ姿を見て、公的発言をためらうようになる。これを「chilling effect」(冷や水効果)という。 1984年、こうした形態の訴訟の研究していた米国デンバー大学のジョージ・W・プリング教授とペネロペ・キャナン教授が著書「SLAPP」で作り出した造語。上記の定義は両教授の同著による。 詳しくは ウィキペディア英語版「SLAPP」 日本語訳はこちら。 *参考文献(日本語の文献はまだない。アマゾンで検索してみてください) “SLAPP: Getting sued for speaking out” by George Pring and Penelope Canan →アメリカ・カナダの事例中心。 “Legal Intimidation” by Fiona J. L. Donson →ヨーロッパの事例中心。 2009.06.26 Friday
オリコンSLAPP裁判の概要
●提訴: 2006年11月
●原告(訴えた側):ヒットチャート会社 オリコン ●被告(訴えられた側。SLAPP被害者):フリーランス記者 烏賀陽弘道 ●提訴の内容:ヒットチャート会社「オリコン」がフリーランス記者の烏賀陽(うがや)弘道を相手取り、名誉毀損で5000万円の損害賠償を請求して提訴。 ●事件番号:平成18年(ワ)第25832号 損害賠償等請求事件 ●詳細:月刊誌「サイゾー」2006年4月号に掲載されたサイゾー編集部執筆の記事「ジャニーズは超VIP待遇!?事務所とオリコンの蜜月関係」に、引用された烏賀陽のカギ括弧内コメントだけが名誉毀損だとオリコンは主張して、烏賀陽だけを提訴した。烏賀陽に取材し、記事を執筆したサイゾー編集部やその発行元である「インフォバーン」社をオリコンを意図的に訴えから外した。 ●裁判所の判断: (1)東京地裁(綿引穰裁判長)08年4月22日判決 「烏賀陽に名誉毀損の責任がある」として100万円をオリコンに支払うよう烏賀陽に命じた。 (2)東京高裁 08年5月2日、烏賀陽側が控訴。09年6月現在係争中。 揖斐憲「サイゾー」編集長兼社長は、当該記事中の「烏賀陽の発言」部分が後述する小林副編集長の捏造(電話取材はしたが、記述された内容は烏賀陽が話した内容から大きく逸脱している)だったことを認め、烏賀陽に謝罪のうえ「利害関係人」として訴訟参加した。小林副編集長、揖斐編集長の証言は録音のうえ東京高裁に証拠提出された。 ●SLAPP性: (1) オリコン社は訴訟を恫喝目的に使ったことを公式に認めている。 提訴した直後の同社ウエブサイト「ORICON STYLE」で「私たちの真意は損害賠償を要求することではない」「烏賀陽が事実誤認に基づいて長年にわたって誹謗中傷を続けたことを認め、謝罪するなら提訴を取り下げる」と公表。損害賠償を求める民事訴訟を起こす一方で、「謝罪すれば提訴を取り下げる」と訴訟コストを負担することの苦痛と引替えに謝罪を要求する取引を持ちかけている。訴訟の目的が「名誉毀損による損害の回復」ではなく「烏賀陽に過ちを認め、謝罪するよう恫喝すること」と認めている。民事訴訟を恫喝の手段にしたことを提訴した当事者が認めている例は珍しい。 (2)提訴の発端は烏賀陽の「取材に答えた」という公的発言である 烏賀陽は係争になっている記事の執筆者ではない。オリコンが被告にした烏賀陽は、係争になっている記事を執筆したサイゾー編集部小林稔和副編集長の電話取材を受けた「取材源」に過ぎない。記事の執筆者ではない。取材・執筆した「サイゾー」編集部やそれを出版した「インフォバーン」社がいなければ、オリコンが主張するような5000万円もの損害は発生するはずがない。が、オリコンはサイゾーやインフォバーンを意図的に被告から外して烏賀陽を孤立させる作戦を取った。このため、烏賀陽は弁護士を自分で探し、その費用を自腹で払うなど、膨大な裁判コストを負担させられる窮状に追い込まれた。 (3) 過大な裁判コストの負担という虐待に烏賀陽は苦しんでいる 提訴前の2005年、烏賀陽の年収は約500万円だった。提訴翌年の2007年には230万円、2008年には180万円と年収は激減。裁判準備のために労働時間の半分を取られるためである。 さらに弁護士費用の負担が追い討ちをかけている。烏賀陽はこの資金の準備のために母親の老後の蓄えとしてた定期預金を解約した。 オリコンの提訴の意図がこうした金銭的な負担や肉体的・精神的苦痛を与えて屈服させ、自分の要求を通す目的であることは(1)のオリコン自らの発言で明らかである。 (4)オリコンの狙いは烏賀陽を沈黙させることであり損害の回復ではない。 オリコン社は、烏賀陽が2003年2月3日号「AERA」に書いた「オリコンの独占去った後 チャートはどう読む?」という記事も「AERAとサイゾー記事は一連の不法行為」と主張している。AERA記事は民事時効を過ぎており、提訴できない。にもかかわらずオリコンは無理矢理訴訟にAERA記事を入れた。二つの記事の共通項は「烏賀陽」しかなく、オリコンの目的があくまで烏賀陽を沈黙させることであるのがわかる。 AERA記事で烏賀陽はオリコンのチャート集計はその集計方法が通常の統計調査のように公表されていないことを指摘している。またレコード会社がオリコンのチャートアップを狙って買い増しなどの工作を仕掛けることを指摘している。しかし、オリコンのチャートが「信用性がない」あるいは「オリコンがチャート操作に能動的に関与している」などの記述はない。 しかし、小池恒オリコン社長はこの記事に憤激してAERA編集部に電話をかけ、担当の副編集長に30分以上怒鳴り続けている。オリコン社にとって烏賀陽の指摘は「世に出ると不都合な指摘・批判」であったことがわかる。 (5)オリコンには訴訟をしなくても、反論し、社会的評価を回復する手段がいくらでもあった。 オリコン社のウエブサイト「ORICON STYLE」は800万のユニークユーザーを持つ。また「オリジナル・コンフィデンス」という雑誌も発行している「マスメディア企業」である。もし仮にサイゾー記事の内容に不満や批判があったとしても、提訴に及ぶ前に自社のメディアで反論する場があった。しかも、サイゾーの発行部数は5万前後なので、媒体としてはオリコン社の方がはるかに大きな力を持っている。また、提訴前にサイゾーや烏賀陽への抗議、訂正の申し入れ、反論掲載の申し入れはなかった。「言論には言論で対抗する」ことがいくらでもできたのに、まったくしようとした形跡がない。ここでもオリコンが訴訟を加罰(苦痛を与えるいやがらせ)の手段として使ったことがわかる。 ● そのほかの問題点 オリコン裁判は「SLAPP被害」であると同時に「報道被害」でもある。第一に、サイゾー編集部が烏賀陽に取材した内容を勝手に歪めて掲載したことが提訴の発端になっている。第二、インフォバーン社小林弘人社長は烏賀陽からの助力(弁護士の紹介など)の要請を一切拒否し、今日に至るまで無視している。つまり取材源を見捨てた。これは新銀行東京裁判でテレビ朝日と講談社がSLAPP被害者の横山剛さんを取材源として守らず、見捨てた「報道被害」と同じ構図。 「サイゾー」が高裁レベルから訴訟に協力して証言するようになったのは、サイゾーがインフォバーンから分社してインフォバーンがサイゾーの「上司」でなくなり、その意向に従う必要がなくなったからである。 (烏賀陽弘道) |
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